【特別授業】「AI時代のキャリアデザイン」とは?株式会社ドワンゴ ニコニコ事業本部CTO 鈴木圭一さんをお招きして講演会を実施!

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KADOKAWAドワンゴ情報工学院では、業界をリードするプロフェッショナルから直接指導を受けることができます!
今回のスピーカーは、株式会社ドワンゴ ニコニコ事業本部CTO/KADOKAWAドワンゴ情報工学院 教育顧問を務める鈴木圭一さん。「AI」黎明期時代に、エンジニアとして働きたいメンバーがどのように共存していくか?を、株式会社IMAJUN 代表取締役 今井 遵さんがインタビュアーとなり、紐解いていきます。

【1. なぜ、いまキャリアデザインが必要なのか。仕事のルールが変わる時代!】

鈴木さん「ニコニコ事業部のCTOを務めています。そもそもCTOとはなんぞや?というと、チーフテクニカルオフィサーの頭文字で・最高技術責任者で、技術者のトップです」

―― ドワンゴに入社したキッカケは?

鈴木さん「専門学校に通っていたんですが、アルバイト先として紹介されたのがドワンゴでした。当時は、社長から『明日から働いていいよ』と言われて働き始めるようなカジュアルな雰囲気でした。アルバイトでエンジニアとして入り、ガラケーの着メロや携帯のアプリなどを開発していました。後に、管理職、マネージャーなどを務めることになります」

―― 何歳頃でインターネットに触れましたか?

鈴木さん「高校3年生くらいですね。卒業するタイミングにインターネットが普及し始め、パソコンを買ってもらったんです。ゲームを作りたかったので専門学校に進みました。どちらかというとゲームの企画などをやりたかったんです」

―― 専門学校での経験は大事ですか?

鈴木さん「そうですね。卒業制作で3Dシューティングゲームを作っていたので、その作品をドワンゴに見せたのですが、特に、チームでモノを作る経験は非常に役に立ちました」

【2. 仕事の「質」と「役割」の変化】

鈴木さん「『LLM』というものが出てきて、IT業界の仕事ルールそのものが大きく変わろうとしています。これまで、エンジニアが担っていた仕事はAIと協業できるようになりました。具体的な役割の変化としては、『プログラミング』は、AIで一気にできるようになりました。動くかチェックする『テスト』や『試行錯誤』、『設計』は協業できます。一方で、人間がすることは、何を作らなければいけないか、何を解決したいのかを考える『課題発見』。そして、プログラムをチェックする作業『レビュー』です。AIが書いたものがそもそも合っているのかを精査するので、エンジニアとしての基礎体力は必要です!効率よくものを作れると思います」

【3. キャリアを設計する3つの視点】

1. 価値あるスキル
2. 自分だけの強み
3. 企業が求める価値

「キャリア」設計をするうえで、3つの視点からとらえていきましょう。

【4. 未来を創る3つの戦略】

1. 専門性でLLMを「使いこなす」

鈴木さん「知識量でAIに勝つのはもう無理です。ですので、LLMを使いこなせるような『T型』人材になりましょう。

知識・視野を広く持ちながら、専門性の深さを兼ね備える人材です。例えば、Chat GPTやGeminiは、雑に問いかけると雑な答えしか返ってきません。例えるなら、目的地に行くときに、どのような筋道を希望するのか?説明できるほうが精度の高い着地ができます。アルゴリズム(問題を解決するための手順や計算方法)といった専門知識があるといいです。また、自分の専門性をどうしたいのか?自分に問いかけ、向き合うことも大切です」

2. 「実績」でLLMの使いこなしを証明する

鈴木さん「『とりあえず動くものをLLMで作る』までは、簡単にできるようになりました。ただ、これだけでは人並み以上に使いこなせる証明にはなりません。動かし続けることに難しさが存在します。LLMを使いサービス作り、公開し、改善する。特に「改善」はすごく泥臭いです。生々しいノウハウを溜め確かな実績を作ると、実際に役に立つ人になります。各社がサービスをローンチしていますが、Claude Code(クロードコード)は評価が高いので、使ってみてください」

3. 人間にあって、AIにないもの = 意志・情熱

鈴木さん「言われたことを正確に実行することについてはAIが秀でています。では、人間にあってAIにないものとは何でしょうか?エモい話ですが、意思・情熱、ビジョンを持ち、課題を発見すること。前例はないけれど必要なものを見出せるのは、情熱を持った人間です」

【まとめ:AI時代のキャリアデザイン】

鈴木さん「これから皆さんが築いていくキャリアにおいて、まずは『基礎知識』をつけていただきたいです。もう一つは、仲間と環境です。基礎知識と仲間が未来の資本になります。KADOKAWAドワンゴ情報工学院で一緒に頑張れる人を探して、財産にしてほしいです!」

最後に、在校生からの質問に答えます。

―― アルバイト・インターンのメリットは何ですか?

「本当に動いているサービスに触れられることがメリットです。目の前に面白そうな仕事があるなら取り組んでみて!」

―― プログラミングの重要性は理解していますが趣味も優先したいです。趣味とプログラミングを、どのように組み合わせればいいですか?アイデアをいただきたいです。

「好きなことを続けたままプログラミングをしている人もいます。例えば、趣味の活動をするときに便利なサービスを自分で作ってみては?自分が好きなことなら作れると思いますし、どちらかを捨てるのはもったいないです」と一人ひとりにアドバイス。

【メッセージ】

鈴木さん「ドワンゴは、学歴を重視しません。私たちが見たいのは、皆さんが何に熱中し、どんな壁を乗り越え、何を作りあげたかです。その人の技術力やポテンシャルが伝わるような、優れたアウトプットを、私たちは正当に評価します!

最後になりますが、AIはキャリアを加速させるツールです。AIを使いこなし、『専門性』、『経験』、『創造性』でキャリアを創っていってください!」と応援メッセージで締めくくりました。

【PROFILE】

株式会社ドワンゴ ニコニコ事業本部CTO
KADOKAWAドワンゴ情報工学院 教育顧問 鈴木圭一氏

1999年ドワンゴ入社。エンジニアとしてネットワークゲームのSDK開発や、着メロサイト基盤開発に従事。その後ニコニコの開発、ニコニコの各種サービス開発(niconico Android、RPGアツマール等)を経て、2019年にniconico事業本部(現ニコニコ事業本部)CTOに就任し、ニコニコの開発全体を推進している。

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