<コミュニケーション能力の話>
日本でもアメリカでも、ビジネスをしていくには、コミュニケーション能力は欠かせません。しかし、日本語と英語ではそもそも構文が異なるため、ときには意思の疎通がうまくいかないことも。
日本語は「周辺>詳細>結論」の順で話すことが多く、世間話のような周辺の話から始まり、最後に結論が来ます。対して英語は「結論>合理的な理由①>合理的な理由②」となり、最初にYes/Noの結論があって、その後に結論の理由を端的に説明していく、というもの。
相手に認識のズレなく正確に伝えるには、英語のように結論ファーストで話すことが重要です。これは、日本語で話すときにも普段から意識すれば習得できると先生は話します。
<契約の重要性>
ビジネスを続けるには、自分たちが創り出した技術やサービスを守るための契約も欠かせません。弁護士を雇って全て任せてしまう経営者も少なくありませんが、自分たちのサービスを一番理解しているのは弁護士ではなく自分自身です。自分が不利にならないためにも、契約はどんな些細なことでもしっかりと決めておく必要があります。
庄司先生は、これまで契約をおろそかにしたばかりに事業が失敗した人々もたくさん見てきたそうです。「あなたの夢や努力、そして、あなたのビジネスを守るのが契約」であり、「ビジネスとは、契約である」と断言しても過言ではないと、契約の重要性について話します。
<AI・テクノロジーの話>
一口に「AI」と言っても、ディープラーニング(深層学習)やGPT-3に代表される大規模言語モデルなど、多様なテクノロジーがあります。技術者を目指す人はこうしたAIテクノロジーを理解し追求するというイメージを持ちますが、庄司先生は「ディープラーニングよりも伝統的機械学習手法の習熟を優先すべき」と話します。
その理由は、ディープラーニングは分野によって相性が分かれるから。私たちの身の回りにあるAIは、ディープラーニングによるものよりも伝統的な機械学習のものが多く、今後もこの状況は当分続くのではないかと考えられています。
そして、これからAIやデータサイエンスを勉強したい人に向けてのアドバイスも。AIやデータサイエンスを学ぶには、まずは統計やKaggleを学ぶと良いとのこと。
<これから求められる人材像の話>
最後に、庄司先生から学生たちへ「これから求められる人材像」についての話がありました。
自分の将来について不安に思うのは当たり前。まずはその不安を受け入れることが大切です。また、これからの時代は総合的な企業ではなく、特定の分野を追求する、専門性が高い企業・個人が求められるというお話も。確かに、プロ野球選手も、オールマイティな選手より、武器は少ないけどその能力が飛び抜けている人の方が求められることもありますよね。
そして、「努力している人、頑張っている人は必ず誰かが見ていて手を差し伸べてくれる。世の中捨てたものじゃないよ。」と力強く話します。
最後に、庄司先生から学生へ贈る言葉として「Have to be different!」という言葉が表示されました。これは「違っていていい、あなた自身でいなさい!」という意味。自分らしくい続ける一方、自分と違う人間を受け入れることも同じくらい大切です。